第二秘書は恋に盲目

「悩みくらいあるわよ!」

カッとなって小学生相手に張り合おうとした。

「へぇ。どうせ下らない悩みなんでしょ?
勝手に悩んでなよ」

「…」

なんて生意気な!
ませてるとかいうレベルじゃない!

「じゃあ、あやめちゃんはどんな悩みがあんのよ!
さぞ立派な悩みなんでしょうね!」

「は?
あったとしても笠原に言う訳ないじゃん。

さっさとそこにある過去問集取って」

そう言われて本棚にずらりと並んだ問題集から1冊を手に取る。
はぁ。なんだか一気にがっくりきたよ。

「…はい。
これで、よろしいでしょうか」

あやめちゃんはぱしっと無言で受け取ると、すぐに勉強にとりかかった。

小学生にこてんぱんにやられている。
今のところどこをとってもあやめちゃんの方が大人だ。