「ノート貸してもらってるから
家まで送らせて。」
たかだかノートを貸しただけで
家まで送らなくてもいいのに…。
「わ、分かった。」
断るつもりだったけど
リアムの断らせないと言わせるような
視線に負けてしまった。
「好きな人に好きな人がいるって
知ったら陽依ならどうする?」
リアムはシャーペンでノートに
さらさらと書きながらそう言った。
「私は……。」
リアムの質問でふと我に返った。
洸汰くんには好きな人はいるのか……?
もし好きな人がいるんなら
私はどう動くんだろう…。
「分かんないけど…。
想い続けるかも。」
そう答えるしかなかった。



