「俺が話しかけても
なんにも話さなかっただろ?
ずっとうわのそらだったし。」


「うん。」


いま冷静になって考えてみると


陽依ちゃんが帰ってきた時


俺は少し怒ったような口調で


話しかけていた気がする。


あれは怒りじゃなくて嫉妬だったのか。


嫉妬するってことは


俺は………。


自分の気持ちにようやく


気が付いた途端に


心臓が早く脈打ち始めた気がする。