部屋に運ばれたルイスはうつ伏せに寝かされた。
顔を横に向けて二人を見る。
「薬は?ないの?」
遠慮なくかばんを探り、ミキナが聞く。
「ないよ」
「はぁ!?じゃあ包帯巻いてただけってことか?」
「うん」
頭をべしっと叩かれた。
少し上がった熱のせいでぐわんと響く。
「馬鹿だなお前!医者呼ぶぞ!」
ショウが怒鳴った途端に、響く頭を無視してルイスは飛び起きた。
「無理!だめ!」
「何でだよ!そんな怪我ほっとくわけにはいかないだろ!」
「医者はだめなんだってば!」
「あん、ルイス動かないで!せっかく包帯巻き直そうとしたのに。」
「あ、ごめん」
素直に従うルイス。
「何で医者がだめなんだよ?金ならあるだろ」
勢いで怒鳴っていたショウは落ち着いたらしく静かに聞いた。
「…この、刺青と瞳。」
観念したように悔しげに答えた少年は自身の瞳と背中を指差した。
「これがだめなんだ。特に刺青が見られたら困る。」
「何で?」
「…」
器用に包帯を操りながら、ミキナは首を傾げた。
押し黙ったルイスは、しばらくして口を開く。
「…ルナティアの印だから」
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