「ピンチの時に、一番に顔が浮かぶ人が、自分の中での王子様だって言うわよ?

ベルはどうなのよ?」



その言葉に、私は少し黙る。



私は、ピンチになった時、誰の顔が浮かぶんだろう。


レオの顔が浮かぶのかな?

いや、意外とゴリーさんだったりするかもしれないじゃない。


……ケンカ強そうだし。



私は、はぁ、とため息をついた。



「王子様が誰かなんて、私にはまだわからないわよ。」



今まで、私の王子様だ!なんて感じた人は一人もいないし

結局一人でどうにかしようとすると思う。


ビビが、私の方を見て言った。



「とにかく、私たちはベルとレオ様のことをちゃーんと見守っていくから。

土曜のことは後でみっちり聞かせてもらうからね。」



ぞくっ。



ビビの意味深な笑みに、背筋が震えた。