そんなこと言われても。


今回は、レオがたまたま私と行きたい気分だっただけよ。


特別扱いして私を選んだんじゃないのは、自分がよくわかってるわ。



“俺はベルと過ごしたいんだよ。”



頭の中で、レオの声がこだまする。



違う違う。

あの男は誰にでもそう言うんだ。



その時、ナナが私を見ながら言った。



「ベルも、素直になればいいのに。

レオ様のこと、好きなんでしょ?」







その言葉に、私は目を見開いた。



私が?


レオを好き?



「なんでそんなこと言うのよ?

別に、私はなんとも…」



私が言いかけると、ナナは私に詰め寄った。



「ベルも、鈍感なのに程があるわ。

レオ様の気持ちがわからないどころか、
自分の気持ちにも気づいてない訳?」



じれったいなぁ。と言わんばかりの顔でこちらを見る。