酒場中が騒ぎだす。
私たちの他にお客がいないことが唯一の救いだ。
こんな恥ずかしい話、誰にも聞かせられない。
私は、キラキラした瞳でこちらを見つめる店員たちに言った。
「…嘘に決まってるじゃない。
誰にでも言うんでしょ、それぐらい。」
すると、レオは「嘘じゃないって!」と、言って笑った。
そんな彼に私は、じいっ、と疑いの眼差しを向ける。
「じゃあ、今ここで私にキスできるの?」
「!」
私の言葉に、レオが固まった。
いつもは笑ったまま受け流すのに、珍しく無言だ。
……驚いてる?
「ほら、出来ないじゃない。」
「や……出来ないっつーか………」
レオが何かを言いかけた時、ピリリリ!
とレオの持っていたガーディアン用の通信機が鳴った。
“レオ!今どこにいるんだ?
また、いつもの“放火魔”が出たぞ!
東の空き家だ!すぐに来い!!”
レオは、それを聞いて顔をしかめた。
“放火魔”……。
そういえば、最近都市では空き家などを狙った不審な火事が多発している。
噂では、リベリオンの残党の仕業らしいけど……。



