ジェフは、はぁ、と息を吐くと、何かを吹っ切るように、パン!と自分の頬を叩いた。


そして、私の方を見て叫んだ。



「ラグナ、幸せにしてもらえよ!」







その言葉に、私は目を見開く。


やっぱり全部聞いてたのね。


すると、今度はジンに向かってジェフが叫んだ。



「あんまりにもラグナをほっといたら、
俺、もらいますからね!!」



ジンは、少し驚いたような顔をして
そして答えた。



「……わかったよ。…盗らせやしないけどね。」



それは、ジンがこの町に来た時の言葉とは、少し違った。



“ジンさん!ラグナを賭けて、俺と勝負してください!!”


“ん、いいよ。盗れるもんなら盗ってみな”



私は、ふふ、と笑って彼らを見た。



《ラグナside終》