「はぁ……はぁ……。」
そこには、足の踏み場がないほどの人間が倒れていた。
壁じゅうに、焦げたような跡や、血が付いている。
そして、部屋の中央には全身血だらけで荒い呼吸をする“青年”の姿があった。
俺とラグナは絶句したまま
その光景を見つめる。
……まさか…
本当に一人で全員を倒したのか……?
すると、ラグナが彼に向かって叫んだ。
「ジン!!」
すると青年は、バッ!とこちらを向いた。
綺麗な蒼瞳が俺たちの姿を捉える。
ジンさんは、目を見開いた。
そして、小さく呟く。
「…ラグ………ナ……」
その瞬間、彼の魔力がふっ、と消えた。
ドッ!と床に倒れこむ。
「ジン!!!」
「ジンさん!!!!」
俺たちは、咄嗟にジンさんに駆け寄って
声をかけたが
彼の意識は途絶えたままだった。