………ゼロ。
ここまで来るのに、簡単なことばかりじゃなかったね。
私たちには、大きな見えない壁があって
秘密を心に抱えたあなたは、私を踏み込ませてくれなかったね。
でも、ずっと一緒にいるうちに、壁はどんどん壊されていったね。
私たちは、いつから惹かれあっていたんだろう。
生い立ちも、何もかも、似ていたね。
出会ったことが、必然だったかのように。
……ゼロ。
私は
…きっと
……ずっと
………一生
あなたの“相棒”として居続けるよ。
だからゼロも“死”が二人を別れさせるまでは
私から離れていかないでね。
ゼロは、私の心を察するように
熱を帯びたキスを繰り返した。
静かな部屋に、私たちの呼吸だけが響く。
夜の闇が、ゆっくりと町を包み
天窓から差し込む優しい月明かりが私たちを照らしていた。
*第4章・完*