私は、ゼロの方を見て「あ…うん。ありがとう。」と少しぎこちなく答えた。
……青年ゼロとは、たまに距離の取り方がわかんなくなっちゃうんだよね。
どこまで近づいていいのか、正直わからない
少年の姿のままだったら、何も意識することなく、普通に過ごしてられたのに
今はゼロの声にも緊張して、すごくドキドキしてしまう。
………これが今までの反動だよね。
私はそそくさと、自分の着替えを持って歩き出した。
早くお風呂はいって、寝ちゃおう。
……ゼロも今日はいろいろあったから疲れてると思うし。
私は、ゼロの方を見ることなく、部屋を後にした。
一人残されたゼロは、私の姿を見送った後、ふぅ…と小さく息を吐いた。
そして、窓から見える、庭のジェノバの墓を眺める。
「………。見張られてるよな……。」
小さく呟いたゼロの声は、私に届くことはなかった。


