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「…まさか、一発殴って気絶させるとはな。


魔法使用の許可が出たのに、なんで使わなかったんだよ?」






事件解決後、私とゼロは店の外に出た。





男に戻ったゴリーが、私たちと合流し、
事の結末を聞いて、ゼロにそう尋ねる。







「あんな低級、魔法を使うまでもねぇよ。

この姿の俺なら、素手でも倒せるってことを証明しようと思ってな。」







いつものポーカーフェイスでそう答えたゼロに、ゴリーは「度胸があるというか、無謀というか…。」と言って目を細めた。






私は、ゼロに向かって言う。






「ゼロ、怪我とかしてない?」





その言葉にゼロは、ふっ、と笑って答えた。





「…俺はかすり傷だよ。

フィオネこそ、怪我ないか?俺と離れた後、オーガの野郎に何もされなかっただろうな?」






私は、ゼロを見つめて、「大丈夫。」と
返事をする。