「ゼロ!!お前に魔力の解放を許可する!
オーガを早々にひっ捕らえろ!」
そう叫んで、暁色の髪をなびかせたのは
この町の主、アサギだった。
私たちの前に現れたアサギは、ゼロに向かって手をかざす。
パァ!!
次の瞬間、ゼロの体をアサギの魔法が包んでいく。
そして、ゼロはみるみるうちに青年の姿へと戻っていった。
アサギが、オーガの魔法を解いて、魔力を復活させたんだ!
するとゼロは、無言のまま立ち上がる。
そして、私の頭に、ぽん、と手を置くと
次の瞬間、オーガに向かって走り出した。
ゼロが魔法でオーガを倒すんだ!
やっと……
やっと、この町の事件にケリがつく。
オーガは、ゼロめがけて次々と魔法を繰り出していくが、ゼロは鋭い視線をオーガに向けながら、魔法を難なくかわしていく。
そして、ゼロはオーガの間合いに一気に入り込んだ。
そして、その時
自身の魔力を、ふっ、と消した。
!
な……なんで?!
魔法で攻撃するんじゃ………
と、次の瞬間
ゴッ!と、鈍い音が辺りに響いた。