“死んでも近寄れない”
その言葉は、今、目の前にいる“猫”と、アサギの間に目に見えない深い亀裂を生み出した。
そこから、暗い影が立ち上る。
───ちりん。
その時、“猫”の首輪の鈴が小さく音を立てた。
「ホノ…さ………」
俺が呟くと同時に、目の前の“猫”が走り出した。
後ろを振り返ることなく、細い路地へと
突き進んでいく。
「逃げやがった。追いかけて………」
アサギが、そう低く呟いて、“猫”の走り出した方向へと追いかけようとした瞬間
俺は彼の体を力ずくで、ぐっと引き止めた。
「おい、ゴリー!何する…「違うんです!」
俺はアサギの言葉を遮り、彼の顔を真っ直ぐに見つめて叫ぶ。
「あの“猫”は、姿をかえられた“ホノさん”なんです!!」
その時、アサギは、はっ、と瞳の色を変えた
しかし、もうその時にはすでに
その場にいる俺たちに、猫の鈴の音は聞こえなかった。
《ゴリーside終》


