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「……ここが、一番人形の気配が多い。
中を見てみよう。」
歩き出して数十分。
ホノが、一軒の店の前で立ち止まった。
ゼロと私は建物を見上げた。
煌びやかな装飾の施された屋根の高い建物が私たちを見下ろしている。
……ここにオーガがいるかもしれない…。
そう思うと、私は少し体が震えた。
すると、ゼロが私の手をぎゅっ、と握った。
「!」
「安心しろ。……何がなんでも、フィオネは守るから。」
ゼロの優しい手の温もりに、私はこくん、と頷いた。
「怪しい輩を見かけたらすぐに言ってくれ。
………行くぞ。」
ホノは、店の中に、足を踏み入れた。
私も、ゼロと一緒にホノに続く。
建物の中は、私とゼロが最初に訪れた店とほとんど変わりはなかった。
……このお客の中に、オーガが紛れ込んでいるのかな…?
私たちが注意深く辺りを見回しながら進んでいると
背後からものすごい速さで廊下を走ってくる足音が聞こえた。



