そして、なにも言えずにいる私に向かって続ける。
「…荷物は、ラグナがいいなら、そのまま店に置いといて。
どうせ、外套と服ぐらいだし。」
そう言うと、ジンは私を置いて、スタスタと歩いて行ってしまった。
……なによ。
知らない女の家には、ほいほい上がって
泊まるくせに。
そうよ。
確かに子どもの頃、アンタは私にとって、“幼なじみ”以外の何者でもなかったわよ。
でも………。
私は、ぐっ、と握った拳に力を入れた。
もし………
私がアンタに“そういう対象”として見てたって言っても
どうせ微塵も動揺なんてしないんでしょ?
いつもみたいに、笑って受け流すんでしょう?
「……勝手なこと言わないでよね…。」
私は、ジンの背中を見つめながら
ぼそ、とそう呟いた。
《ラグナside終》



