私は、その言葉に目を見開いた。
グランが、ゼロのお父さんの臣下だってことは、グランから直接聞いていたけど…
アサギさんもそうだったなんて。
ゼロは、再び歩き出したホノに続いて進みながら話す。
「グランは、親父が王になって三ヶ月ほどで歳を理由に城を辞めたらしいんだけど
アサギは、ずっと親父に仕え続けて……城を追われた時も、最後まで親父の力になってくれた、たった一人の臣下だった」
……そうなんだ…。
アサギさんとゼロには、そんな深い繋がりがあったんだ。
ゼロの周りにいる人たちは、ゼロの過去に複雑に絡み合った人ばかりだ。
私は、ゼロの気持ちを思うと
少し胸が苦しくなった。
ゼロは今、お父さんのことを考えているのかな…。
ゼロは表情を変えず、歩き続ける。
本当、青年になっても、自分の弱みは滅多に見せないんだから…。
ゼロが、たまに見せる、過去を思い出して悲しさに包まれている顔は、私の心も曇らせた。
……私が一番近くで支えてあげたい。
せっかく、相棒に戻れたんだから。
ゼロを“孤独の世界”に戻したりはしない。
私は、改めてそう心に決めた。



