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「…ホノ。オーガの気配は感じるか?」
町を歩いて数十分。
ゼロの言葉に、ホノは首を横に振る。
「ダメだ。……奴め、この町の世界に溶け込んでいる。探るのも一苦労だ。」
そうか。
確か、ゼロが前に、上級魔法使いは魔力も大きいけど、それを隠すのも上手いって言っていた。
…オーガは、自分の魔力を抑え込んで
この町のどこかに潜んでいるんだ。
私は、奴がどこからか私たちを監視しているかのように感じて、ぶるっ、と身震いした。
その時、ホノがぴた、と動きを止める。
彼女の視線の先を見ると、
そこには一匹の“猫”がいた。
「…またか…。
すまない、ちょっと待っててくれ。」
ホノは、そう言うと、猫の近くに行き、
先ほどの猫のように、魔法をかけて移動させる。
「なぁ、アサギってそんなに猫がダメなのか?」



