猫が苦手なんだ…?
だから町の周りに結界を…。
すっ、と手を降ろすと、
ホノは再び、すたすたと歩き出した。
アサギさんって…どんな人なんだろう。
ゼロの古い知り合いらしいけど、どういう関係?
やがて、数分歩くと、目の前に二階建ての屋敷が見えてきた。
瓦屋根のその屋敷は、華の町とは少し異なる、落ち着いた雰囲気でそこに建っていた。
ホノが、ガラ、と扉を開ける。
私たちがホノに続いて中に入ると、
ふわっ、と甘い花のような香りがした。
…なんか、ここだけ別世界みたい…。
華やかな町から一歩外れた、癒しの溢れる空間だ。
…どこか落ち着く。
すると、廊下の突き当たりまで歩いたホノが、目の前の襖に向かって声をかけた。
「アサギ様。お客をお連れしました。」
すると、少しの間の後、「入れてくれ。」と声が聞こえた。
その声を聞いて、私は少し体がこわばる。
…緊張してきちゃった。
ゼロが、私の前に立って、すっ、と部屋の中に入った。
私も、ごくり、と喉を鳴らして中に入る。
すると、そこに居たのは、長い暁色の髪の男性だった。



