ジンは、きゅっ、と目をつぶる。
そして、ゆっくり歩き出すと、私の方を見て言った。
「そういや、僕はそろそろ自分の家に帰るから。
だから今から店の二階に置かせてもらった僕の荷物を取りに行く。
ラグナも店に戻るんだろ?
……一緒に行くよ。」
私は、驚いて彼を見た。
「え?別にこのままずっと泊まっていっていいわよ。
アンタの家、家具が机と椅子ぐらいしかないでしょ?」
私がそう言うと、ジンは私から目を逸らして言った。
「いや、遠慮するよ。」
え?…どうして?
「まともに食べ物も買ってないんでしょ?
風呂だってウチのを使っていいわ。」
すると、ジンは私をちらり、と見た。
な……なによ?
ジンは、前を見て歩きながら答えた。
「…僕は仮にも“男”だよ?
一つ忠告しておくけど…僕みたいな奴を、不用心に家に上げない方がいいぞ。」



