ゼロの相棒《番外編》



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《ラグナside》



「ふぅ……これで全部配達は済んだわね。」



私は、ジェフに店番を任せて、都市の各地へと、注文を受けた魔具を配達していた。


すべてを配達し終わり、店に帰ろうと都市の中心部を歩いていると

目の前から、見覚えのある漆黒の短髪の青年が歩いてくるのに気づいた。



「ジンじゃない。……どこに行ってたの?」



私が声をかけると、青年は少し驚いてこちらを見た後、ふぅ、と息を吐いて答えた。



「まぁ、ちょっとね。」



そう言う彼の頬を見ると、昼間見た時にはなかった擦り傷が出来ていて、そこから少し血が流れている。



「怪我してるじゃない。……これ、どうしたの?」


「……別に、ただの不注意だよ。」



ジンは、傷が出来ていることに気づかなかった様子で頬をこすった。


私は、そんな彼をじっ、と見つめる。



「…語りたくないなら別にいいけど…。

そこら辺でケンカなんて、本当に“ノラ猫”ね。」



私は持っていたハンカチでジンの傷から流れる血を拭いた。