…彼女は、俺の隣にいると、不幸になる。


遠距離にもなるし、俺の仕事は危険が多い。


…弱みを握られて、カトレアが、リベリオンの奴らに捕まって、人質にでもされたら……。


俺は、ぎゅっ、と拳を握った。


そんなことはさせたくない。


すると、そんな俺を見ながら、ロイが
はぁ、とため息をついた。



「お前…本当に理性的だよな。

いつまで自分の気持ちに蓋してるつもりなんだ?」



どき、と、胸が鈍く鳴る。


“理性的”………か。


確かにそうかもしれない。


でも、カトレアに対する気持ちは我慢して押し殺せるほど小さなものなのか、と聞かれたら、そんなわけは無い。


……この六年間がその証だ。


何度も忘れようとしたけれど、結局駄目だった。


何度も、あの日もし、指輪を渡せていれば……と考えた。


彼女が、夢に出てきて、泣いている姿が、俺を苦しめる時もあった。