………後悔…しろってことか?
自分の臆病さのせいでずっとこの町に来れず
結局、自分を追いかけて来たせいで彼女が死んでしまう結果になったこの日を、ずっと背負って行けと、いうことなのか?
俺は、その小さな箱の蓋を開けた。
中の銀色の指輪が小さく光を放っている。
その時、つぅ……、と涙が頬を伝った。
完全に無意識だった。
自然に溢れた、その温かい涙は
ぽたり、ぽたり、と、手に持っている“小さな箱”を濡らしていく。
………ごめん。
ごめん…ごめん……ごめんな………。
小さく、指輪の箱を持った手が震えた。
俺は、灰色の瓦礫の前で、静かに涙を流し続ける。
カトレア………。
君に会うのが気まずいなんて、君が“生きていたから”こその悩みなんだ。
死んでしまうのなら、そんな悩みも、消えて無くなってしまう。
君と会うことをためらう権利さえも、消えてしまう。
会うこと……さえも。
許されないんだ。



