すべての瓦礫を移動させるには、俺の魔力では足りない。
………動かした瓦礫の下にカトレアの姿はなかった。
俺に……もっと力があれば……。
俺が遺跡を出る時、カトレアに気づいて、一緒に瞬間移動魔法で戻っていれば。
カトレアは……。
魔力は消え、後悔だけが、自分の体の中に残る。
その時、ふと、視線をやった瓦礫の隙間を見て、俺が息をが止まった。
あ……
あれは………!
俺は、ゆっくりと立ち上がる。
そして、よろよろ、と瓦礫の前まで歩くと
その隙間に、ゆっくりと手を伸ばした。
ロイが、俺が手にしたものを見て、目を見開く。
「ブラッド……それ………!」
それは、俺が探していた“小さな箱”だった。
四角くて、白いその“箱”は、瓦礫の隙間から、ひょっこりと顔を出して
まるで、“私は今、見つかるべきものだった”と言わんばかりだ。



