「カトレア!カトレア!!」
呼んでも呼んでも、彼女の返事は聞こえなかった。
この瓦礫の下敷きになったのか?!
「……くそぉっ!!!」
俺は、ぐっ、と体に力を込め、一気に魔力を放出する。
そして、目の前の灰色の残骸に向かって、力の限りの魔力をぶつけた。
辺り一面が光に包まれて、灰色の瓦礫が消えていく。
これは、レオの得意とする“異空間除去魔法”。
要らないものを、すべて異空間に一時的に移動させる。
カトレア……!
お願いだから、出てきてくれ…!!
「………っ!」
その時、俺の魔力が、ふっ、と途切れた。
ガクン、とその場に膝をつく。
「お兄ちゃん!!」
ドロシーが、俺の元へと駆け寄った。
心配そうに緊迫した表情で、俺を見つめる。
「大丈夫?!お兄ちゃん……!」
「あぁ…。くそ……魔力切れだ。」
目の前には、まだ無数の瓦礫が残っている。



