ロイは、納得のいかないような、難しい顔をして
「気をつけろよ。…本当にこの世から消えたりしたら、許さないからな。」
と言った。
俺は、にっ、と笑って頷くと
パタン、とカフェの扉を閉めた。
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《ロイside》
一人カフェに残された俺は、カウンターから、ブラッドの出て行った扉を見つめていた。
あいつも…本当に不器用というか…運が悪いというか…。
早くカトレアさんに全てを伝えればいいのに、と思う。
彼女は、死んだと思った今でも、ブラッドのことを想い続けている。
そんな彼女が、ブラッドが六年間約束をすっぽかしていたことぐらいで怒って、会いたくない、なんていうはずがない。
…彼女の瞳には、本当に、お前しか映っていないんだよ、ブラッド。
この六年間。
彼女は、他の男には見向きもしなかったよ。
例え…一番近くにいた男にでさえも。
誰も…。



