ロイは、ぐっ、と眉間にシワを寄せて俺に言う。
「お前が探してるもんはここには無いぞ。
……まさかとは思うけど、あの落盤事故の現場に落としてきたんじゃないだろうな?」
嫌な汗が額から流れた。
そ……そうかもしれない。
かも、っていうか、ここに無いならそれしかない。
「やべぇ……。どうしよう…。」
俺は、無意識にぽつり、とそう呟いていた。
今さらあげても、意味のないものかもしれないけど
その指輪は、カトレアがずっと欲しいと言っていたものだった。
……今渡されても…重いよな…。
俺は、深くそう思う。
だけど、カトレアは、死んだと思った今でも、俺のことを待っててくれている。
だから、せめて指輪だけでも。
会えないというなら、ロイの手からでもいいから、彼女に渡しておきたかった。
遠くで、彼女の喜んでいる笑顔が一目見たかったんだ。
「…俺、探して来る。」
「………はぁ?!あの遺跡にまた行くって言うのか?!」



