「ドロシーに伝えた日に連絡したさ。

……だけど、繋がらなかったんだよ。

俺からの電話を拒否するぐらい怒ってんのかと思ってた。」



すると、ロイが俺を見ながら言った。



「そうか……お前、彼女のケータイが壊れたこと知らないんだ。」



え?

壊れた?



「お前が事故に巻き込まれたって聞いた時、カトレアさん、すごく取り乱して。

…遺跡に探しに行くって聞かなくてな。

その時にケータイを壊しちゃったんだよ。」



だからか。

連絡が取れなかったのは……。


着信拒否されてた訳じゃなかったんだ。



「あの日……。

カトレア、お前のカフェでずっと待ってたのか…?」


「あぁ、待ってたよ。

………ずっと。」



胸が、ぐっ、と締め付けられる。


事故にあったって聞かされて、どれだけショックを受けたんだろう。