「それが任務ですか?」


「あぁ。」



……なんてこった。


重大任務なんて言うから、またリベリオンが騒ぎを起こした?とか、王を狙った暗殺が企てられてる?とか色々考えてたのに。


……里帰り?


ダリシーン王が俺を見ながら続ける。



「この前の一件で願いの町に行って、お前の妹に会って思ったんだ。

もう少し兄妹の時間を作ったらどうだ?

全然ゆっくり出来なかっただろ?」



だ……ダリシーン王が俺の家族仲の心配をしている…!


あの“冷徹”と噂のダリシーン王が…?!


………天変地異が起きるぞ。


まぁ、ダリシーン王も誰かさんみたいに不器用なだけで、本当は優しい人だってことは知ってるけど。



「いや…お言葉は嬉しいんですけど…

帰るのは、ちょっと………。」



その時だった。



「王様、失礼します〜!」



俺たちの部屋に、真っ赤なガーディアンの制服に、白い髭を生やしたちっちゃいおじさんが入ってきた。