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「……泣き顔も可愛いねぇ、ベルちゃん。
もうこれで君の帰る場所は無くなったよ
ずっと俺と一緒だ。」
倉庫の中に、私のすすり泣く声が響く。
酒場にはビビとナナがいるはずだ。
炎の被害に遭っていたらどうしよう。
……私のせいだ…。
本当に私はここから逃げられないのかな?
魔法を使おうにも、男が至近距離で監視している。
……逃げられない。
すると、男は私の方をじっと見つめた。
「ベルちゃんには俺のコレクションになってもらうよ。
食べ物も、着るものも、全部俺が用意してあげるから。」
ぞくっ!!
全身が震えた。
男の視線に、恐怖で声が出ない。
ここは都市外れの森の中。
どう叫んだって、誰にも気付かれるはずがない。
周りは廃墟。人はいない。
………怖い!
誰か……誰か助けて……!
こんな時、一番に頭に浮かぶのは
ワインレッドの青年の姿。



