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「いやぁ……まさか、瞬間移動を使われるとはね。

ジェフ、見ない間に腕を上げたなぁ!」



その言葉を聞いた瞬間、ぱぁ!と、俺の瞳は輝き出す。



え?


俺、今、ジンさんに褒められた?



「はははっ!俺の負け負け!」



ジンさんは、俺の頭をわしゃわしゃ!と
撫でる。



ん?


“負け”?


え?俺、“勝った”?



ジンは、ふぅ!と息を吐くと、
パンパン、と体についた砂を落とす。



「んじゃあ、ラグナは頼んだぞ〜。」



ジンさんはそう言い残すと、にっ、と笑って手を振りながら歩いて行ってしまった。


俺は、ポカン、と口を開けて彼の後ろ姿を見つめる。



え………?


い……今。


“ラグナは頼んだぞ〜”って言わなかった?



え?マジで??!



俺は、観戦していたラグナの方をばっ!と向いて言った。



「なぁ、ら……ラグナ!見たか?


俺、あのジンさんに勝ったぞ!」