レオは、ケタケタと笑っている。



だって……。

抱きしめられたりなんかしたら、それを抵抗できないってわかってるもん。


さっきみたいに……。

自分がどうなってしまうか、わかんないんだもん。



私は、ふぅ、と、深呼吸をした後、振り返ってレオの視線の先を見つめる。


しかし、そこには何もない。



「レオ、どうしたの?」



すると、レオは少しの沈黙の後

平然とした顔で答えた。



「いや、何でもないよ。……気のせいかもしれない。」







どういう事?



私が疑問に思っていると
レオは、すくっ、と立ち上がった。



「さ、ベル。そろそろ大丈夫か?

次行くとこは決めてあるんだ。」



レオは私の手をつないだまま
遊園地のさらに奥へと進んで行った。


私はレオに連れられて歩き出す。



……次は何に乗るのかしら?



少しワクワクしながら歩く私は

背後の茂みから聞こえた音に、全く気がついていなかったのです。