両親はまだ、17歳だった。
高校2年生の秋。
紅葉が綺麗な季節に、母親である女子高生のお腹の中に小さな女の子の命が宿った。
高校1年生の頃から付き合い始めた彼との間に出来た子供。
母親である女子高生は、ただ単純に嬉しかった。
彼女は、彼に子供が出来たことを伝えた。
彼は伝えられた瞬間、目を見開き、言った。
「面倒臭いなあ。じゃあ別れて?」と。
彼は、笑って。
彼女は疑った。だってまさか、こんな事を言うとは思わなかったから。
それから彼は、彼女を避けるようになった。
高校生にもかかわらず、飲酒をし、煙草も吸うようになった。
そして、どうしようもない、落ちこぼれになっていった。

