うっすらと目を開ける。 悲しい夢を見た気がした。 白い天井…… そっか、ここ、保健室だ…… 「起きた?芙美」 声の聞こえた方に目をやる。 「ア、ヤちゃん? あ、一時間目終わったんだ……」 「うん」 なんとも言えない微妙な雰囲気。 「芙美……なんの夢見てた?」 あの時とは違う、優しい声…… 「思い……出せないけど…… すごく悲しかった……気がする」 「だろうね。芙美、泣いてたよ『アヤちゃん、行かないで』って……」