ショックで項垂れていると異変を察した庄司君が、

「あれ?芙美ちゃん、教科書無いの?」

と聞いてきた。


「あ、はい……、お恥ずかしながら……」


「んじゃ、一緒に見よう?」


なんのためらいもなく、机をくっつけてくれる庄司君。

いい人過ぎる。
しかも、名前……知っててくれたし。



「ありがとう」


ぽそっと言えば、


「どういたしまして」


笑顔で返してくれる庄司君。
眩しいよ~~っ



チラリとアヤちゃんを見たら目が合った……
と思ったら、プイってされちゃった。

そんなに迷惑だったかな。



その一時間、ずっとモヤモヤしていた。