「また撮影が一緒のときはよろしくお願いします」


「なあっ、おい!」



足早で去る彼女を追いかけても、追いつけなかった。



「んだよ...足早すぎ。

あれ、これ...」



ふと目線を落とした先には、あの星の髪飾りが落ちていた。


捨てられたのか。


そうだよな。人気モデルがカメラアシスタントなんて気にかけないよな。



そっと拾った髪飾りは夜風に触れて、とても冷たくなっていた。



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「藤井さん入りまーす!」



撮影のために訪れたログハウスいっぱいに、スタッフの声が響く。



「おはようございます」



キラキラと輝く笑顔を振りまく彼女は、あのときと少し違うように感じた。



...気のせいか。