「俺が初めて撮りたいって思ったのは君だよ」 存在を確かめるように、彼は優しく私の頰を触れる。 「名前、聞いてもいい?」 彼の顔が少しだけ歪む。 涙腺が緩んで、歪んで見える。 「なお...松永、直」 こぼれそうな涙を拭おうと手を伸ばすも、軽やかに彼に絡めとられる。 「もう俺の前から消えないで」 そう小さく言うと少しずつ彼との距離が縮まる。 ゆっくり優しいキスが降る。