【完】午後7時のシンデレラ



ペンギンマークのシールを剥がし、中を取り出す。



「...これ」



出てきたのは、星が全面的にデザインされたシルバーの髪飾り。

わたしが欲しくて、買えなかったものだ。



「どうして?」



あまりにも嬉しくて、声が震える。



「ないしょ」



いたずらっ子のように笑う恭弥くん。


そんなのひどすぎるよ。

サプライズなんて不意打ち、嬉しくないわけがないでしょ。




「じゃあ、最後の撮影行きまーす」



スタッフさんの言葉に、わたしはもらったばかりの髪飾りをポケットに入れる。