【完】午後7時のシンデレラ




スタッフさんたちの気遣いにより、最後のポイントまで二人で行くことにした。


もう空はすっかり暗くなっていて、ビルの夜景がなんとも美しい。


海が見える昼間のあの公園を目指す道中も、恭弥くんとは隣同士で歩く。


昼間とは違う、和やかな雰囲気が漂っているように思う。

その途中も、彼は気に入った写真をどんどん増やしていく。



「恭弥くんはいつからカメラの仕事してるの?」



「んー。カメラにはガキの頃から触ってた。

それで親父の仕事手伝うようになったのは、大学卒業してからかな」


ん?

懐かしそうに話す彼の言葉に違和感を覚える。



「てことは...恭弥くん、年...」


「23」


うっそー...6つも違うんだ。

そりゃあ年上で、社会人だよね。


「なに驚いてんの?

志保と少ししか違わないだろ?」



「あは...そうだね...」



確かに藤井さんは20代だけど。

わたし、そんなに老けて見えるのかな。


まだ17なのに...。