【完】午後7時のシンデレラ



お医者さんみたい、という言葉がなんだか嬉しい。

そんな感慨に浸っていると


「志保、いつもそれ持ってんの?」


ふと隣に恭弥くんが立っていて、わたしの工具セットに手を伸ばす。



「ああっ...えぇと、これは...」



彼の言葉に戸惑っていると、右手にドライバを持ったままだと気づき余計に慌てる。



不思議そうに見つめる彼を、恐る恐る見上げる。




「やっぱり、変だよね。

工具持ち歩いてるとか...」



頭の中に、高校のメンバーが


”おまえ、女じゃねーよ”


わたしに言った言葉を思い出す。