「えーっ。連絡先?

ど〜しよっかなぁ」



顎に手を当て、可愛らしいであろう高めの声を精一杯出す。


二人の男の子もまんざらそうじゃないし。



「じゃあ名前だけでも———」


「おい、なおっ!

遅刻すんぞーっ」



途端にわらわらと男子高生たちが集まり、その中の一人の男に首根っこをつかまれる。


首を掴まれた途端、むぎゃっと変な声が出てしまう。


しまった。この時間は登校のピークだった!



「ちょっ、ゆーとっ!」


「はいはい、おはよー」



黒の学ラン姿の男どもが、わたしの周りにあふれてる。