ねえ、わたしは知らなかった。
キミというひとを。

もちろん顔と名前くらいは知っていた。
どんな女だろうと、遊んで関係を持つんだと。
そんなことまで知っていた。

でもね、そんなとこまでしか知らなかったんだ。


これからのお話はわたしの物語だけれど、同時に本当のキミのアルバムのようなものでもある。
ひとつずつ、めくっていこう。