恋水。



「…名前。」


うるさい…私は今すごく眠いわけ。


「…名前。」


「…しつこいから。」


機嫌が悪かったからか殺気がでたんだろう。教室にいるみんなは固まっている。このしつこいやつも固まっている。


杏子があーあ。やっちゃった。って顔をしている。


関係ない。


「…そう。ごめんね?俺に媚び売らないの君が初めてだから興味湧いちゃって。」


「…自意識過剰だから。」



そう残して教室を出た。



次の日。やつのしつこさはガムテープ以上だった。


「ねぇ、名前教えてよ?」


ニコニコと私の隣に座るやつ。

うざ。


「名前教えてくれないとにゃんにゃんって呼ぶよ?」


ゾワゾワッ…考えただけで恐ろしい名前。そんな名前で呼ぶくらいなら自分で首を切るよ。


「いいの?」