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「……なんで俺なわけ?」
明らかに嫌そうな顔でそう発したのは、言うまでもなく松風くんで
「はぁ?お姉様の言うことが聞けないの?今月の給料減らすわよ。」
有無を言わせぬ物言いで脅しをかけているのが綾菜お姉様です。
「…ったく、姉ちゃんのその曲がった性格 母さんそっくり。」
呆れたように溜息を零した松風くんは、一度落とした視線を再びあげると、視線の先に私をとらえた。
「…っ!」
目が合うだけでこんなに緊張したのは初めてで、体はカチコチに固まって、口の中の水分は一気に20%ほどになってしまった気がする。
喉カラカラ。
「……だって。
まずは注文の取り方から。」
すぐに理解できずに脳内で3回ほど繰り返したあと
「あ、よろしくお願いします!」
緊張がほぐれるように、なるべく大きな声で、そして笑顔で答えた。


