「いいじゃん、入れてってもらえって。俺は大好きな雨に打たれて先に帰るわ!」
そう言った高瀬くんは、片手をズボンのポケットに入れたまま、もう片方の手を軽くあげて”じゃまた!”と、ザーザー降り続ける雨の中に消えていってしまった。
「た、高瀬くん!行っちゃった…風邪引かなきゃいいけど。」
いくら雨が好きでも、だから風邪を引かないってわけではないだろうし。
「雨が好きとか変なやつだよな。」
「私も雨は苦手だなぁ。でも、高瀬くん本当に嬉しそうだったね!」
「そうだな。」
そう言ってほんの少し笑った松風くんはポケットから、スマートフォンを取り出すと”あ、バイト。”と呟いた。


