ねぇ、松風くん。



「バイト先ではナンパされてるし。文化祭ではウェイトレス姿 男子にジロジロ見られてるし……

成宮も早川も名前呼びなのに、俺だけ名字なのも不愉快極まりない。」


”……ほんと腹立つ。”


そう呟いて、松風くんはやっぱり困ったように笑った。


それから…

「ねぇ、佐々木さん」

私への距離を縮めながら私の名前を呼ぶ松風くんは、寒いせいか、この状況のせいか頬がほんのり赤く染まっている。


「ま、松風くん…⁇」


急に動かなくなった松風くんを不思議に思い、躊躇いながらも名前を呼べば


「…っわ!」


次の瞬間には、私の腕を掴んで引き寄せた松風くんによって、私の体はすっぽりと松風くんの胸の中に収まってしまった。