ねぇ、松風くん。


もう11月も下旬を迎える。

私たちが言葉を発すると、言葉と一緒に白い息が漏れる。

そんな中、松風くんが発した言葉は


「佐々木さんベタベタされすぎ。」

「へ?」

私の頭ではすぐには解読不可能…


バサッーーーー


手に持っていたはずの買い物袋は、アスファルトの上に落下。

あー、卵とか入ってなくて良かった。危うく割れるところだった。

なんて、頭の中はやけに冷静で。


「……ホラ、危機感が足りない。」


耳元で聞こえる松風くんの声に、我に返った私は勢い良く顔を上げる。

「……ま、松風くん⁇」


そこにあるのは、紛れもなく不機嫌そうな松風くんの顔。そして、私の体をスッポリと包んでいる松風くんからシャンプーの香りがした。