ねぇ、松風くん。



ってか!
そうだ、着替えなきゃ。
すっかり自分がメイド服姿だったことを忘れていた私は、窓に映った自分の姿にギョッとした。


こ、これじゃ…さすがに校内回れない。ましてやボッチ。絶対、無理!


既に周りからの視線がグサグサと突き刺さってくる。

「早いとこ着替えよ」


居た堪れなくなった私が再び教室へ戻ろうと足を踏み出したとき、


「……佐々木さん!」

「………あ、」


もう久しく聞いていない、だけど相も変わらず抑揚のない透き通った声が私を止めた。


心臓が加速する。
呼吸が苦しくなる。
会いたくなかった。


だけど、本当は……ずっと目で追っていた。やっぱり、好きで仕方ない。


「松風くん。」