ねぇ、松風くん。



教室へ戻ろうと階段を昇れば、目に留まった小さな背中。

バケツに水を汲む彼女に、俺は見えていないだろう。


「フッ…アハハ!」

「お、おい!何笑って…!///」


一緒にいる男はクラスメイトだろうか。


楽しそうに笑う佐々木さんを、いつぶりに見ただろう。あの笑顔が、最後に俺に向けられたのはいつだっただろう。


「……ごめん。って、何だよ俺。」


散々 後悔した自分の発言。

あの告白された日に、今日の記憶を持ったまま戻れるとしたら…

俺は佐々木さんに何て言うんだろう。


…少なくとも”ごめん”なんてきっと言わない。


結局、佐々木さんは俺に気付かないまま教室へと歩いて行ってしまった。