ねぇ、松風くん。



私が叫んだ瞬間、松風くんの動きが一瞬止まったような気がした。


けれど、目が合うことはない。

代わりにキレの戻った松風くんは、相手チームからボールを奪うとそのままゴールを目指して走り出した。


聞こえた……かな?

聞こえてたらいいな。


潤くんのディフェンスをもサラッと交わして、ただひたすら全力でゴールを目指す松風くん。


でも、時間がない。
残り10秒。


9.........


8.............


何かを諦めたような、覚悟を決めたような…そんな表情の松風くんは3ポイントエリアで足を止めた。